2023年7月に読んだ(聴いた)投資本やビジネス本を紹介します。
聴いた本はアマゾンのAudible(オーディブル)、読んだ本でUnlimited(アンリミテッド)対象と記載しているものは、本記事執筆時点での情報となります。
私の読書は新刊よりは興味のあるものを選んでおり、数年経過したものも含まれています。
オーディブルでのみ聴いたものは聴いた時の記憶で記載しています。
前月の記事はこちら↓
- 僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫) 文庫 – 2013/11/15瀧本 哲史
- ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた 単行本 – 2022/11/2斎藤 幸平 (著)
- 考えない練習 練習シリーズ (小学館文庫) Kindle版小池龍之介
- 勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法 Kindle版勝間 和代
- 社会を生き抜く4つのチカラ
- ベンチャーニュースで言いたい放題
- ぜんぶ、すてれば Kindle版 中野善壽
- 「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略 【 ”マイキャリア” の整理に使える2つのワークシートDL特典付き】 <3つの要素棚卸し> & <重ね合わせ発見> Kindle版尾石晴 (著)
- 地面師たち (集英社文庫) Kindle版 新庄耕 (著)
- バカと無知―人間、この不都合な生きもの―(新潮新書) 言ってはいけない Kindle版橘玲
僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫) 文庫 – 2013/11/15
瀧本 哲史
非情で残酷な日本社会で、20代が生き残るための思考法とは何か? 不安に立ちすくむ日本人が、今こそ学ぶべき「本当の資本主義」とは何か? 東大、マッキンゼーを経て、京大で人気ナンバー1の授業を持つ客員准教授が世に問う必読の書。2012年度ビジネス書大賞受賞の名著をエッセンシャル版にして文庫化。
本書は2013年刊行の書籍。
もともとは学生や20代を対象と考えていた書籍のようだが、結果的に社会人に売れた本となったとのことです。
著者の瀧本さんは、若くしてご病気で夭逝されてしまい当時から著作を楽しみに拝見していたのでとてもショックでした。
今も色あせない著作を昨年から今年にかけて少しずつ再読をしています。
10年以上たった今でも参考になる書籍が多く、新刊は出ませんがぜひお手に取っていただきたい著者の1人です。
タイトルからは想像しにくいですが、本書のキーワードは「投資家」。
本書は、一人の投資家である私がこれまで実践してきた「投資家的な生き方」のすすめである。
p19 はじめに
投資家といっても「不労所得」とか「老後に備えて資産運用」というレベルの投資家に話しではなく「投資家的な思考法」が語られています。
一攫千金を狙うのではなく、自分の時間と労力、そして才能を、何につぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズ=回収できるのかを真剣に考えよ、ということなのだ。
重要なのは、まず資本主義の本質を理解すること。そして、そのメカニズムを正確に認識し、日々刻々と変わる情報を察知して、インプットを変えることで、アウトプットである自分自身の行動を具体的に変えることだ。
p20 はじめに
本書は「コモディティ」という話題から始まり、「ブラック企業」、「マーケター」、「起業家」、「リーダー」、「投資家」というキーワードで次から次に論が展開されていきます。
(ブラック企業は当時出始めた言葉で話題になっていた)
リズムよく進む歯切れのよいテンポの文体が瀧本さんの醍醐味ですね。
ここで書かれたことは、10年後も20年後も通用する「一生モノの発想」であることは間違いない。長く手元に置いて、折に触れて読み返して頂ければ幸いである。
p23 はじめに
刊行から10年後の今、この本で展開された考えは確かにまだ通用すると思いまs。
kindle版は無いのですが、文庫で550円と安価な1冊なのでぜひ買って、世の中に1冊でも広まってほしいと思う1冊です。
ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた 単行本 – 2022/11/2
斎藤 幸平 (著)
斎藤幸平、現場で学ぶ。
うちに閉じこもらずに、他者に出会うことが、「想像力欠乏症」を治すための方法である。だから、現場に行かなければならない。(「学び、変わる 未来のために あとがきに代えて」より)
理不尽に立ち向かう人、困っている人、明日の世界のために奮闘する人――統計やデータからは見えない、現場の「声」から未来を考える。
【目次】
第一章 社会の変化や違和感に向き合う
ウーバーイーツで配達してみた
どうなのテレワーク
京大タテカン文化考
メガヒット、あつ森をやってみた
5人で林業 ワーカーズコープに学ぶ
五輪の陰
男性メイクを考える
何をどう伝える? 子どもの性教育第二章 気候変動の地球で
電力を考える
世界を救う? 昆虫食
未来の「切り札」? 培養肉
若者が起業 ジビエ業の現場
エコファッションを考える
レッツ! 脱プラ生活
「気候不正義」に異議 若者のスト第三章 偏見を見直し公正な社会へ
差別にあえぐ外国人労働者たち
ミャンマーのためにできること
釡ケ崎で考える野宿者への差別
今も進行形、水俣病問題
水平社創立100年
石巻で考える持続可能な復興
福島・いわきで自分を見つめる特別回 アイヌの今 感情に言葉を
学び、変わる 未来のために あとがきに代えて
Audibleで聞きました。
斎藤さんの本で、1番有名なのは『人新世の「資本論」 』なのだろうが、私はまだ読んでいなません。
こちらの書籍は斎藤さんの著書だからというよりは、色々な現場を訪問されてるようなので、その内容に興味があって聞きました。
毎日新聞に連載されていたものを書籍化したもので、Audible限定特典として書籍にはない編集者と著者の対談も収録。
色々なテーマで様々な現場に行くのがテーマですが、取材期間中にコロナの自粛期間が重なり訪問取材が困難になったとのこと。
そのためスイッチの「あつ森」やプラごみをいかに出さないかというインドア系チャレンジも含まれています。
斎藤さんの『人新世の「資本論」 』を読んでいないので、基本的な氏の主張がぼんやりと感じられる程度。
前述の瀧本さんの書籍でも資本主義については部分部分で述べられているのだが、私としてはその瀧本さんの主張には異論はないです。
そして斎藤氏の「資本主義の弊害」を聞くと、そういう点もあるとは理解できます。
現代社会に生きているので好き嫌いに関わらず人はみな資本主義者にしかなれないと思っているが、それぞれの人の立場によって当然思うところはあるだろうなと感じていますね。
「気候変動」については出ている人の主張を咀嚼する以前に、自分がこの問題にかなり無関心であることが改めて分かってしまいました。
ごみの分別はかなり細かくやっている方だと思うが、斎藤さんが実践しているようなプラスチックを使わない生活は絶対無理。
この本の中の様々な現場ごとを聞いて、自分の興味関心の偏りを感じる体験となりました。
考えない練習 練習シリーズ (小学館文庫) Kindle版
小池龍之介
ベストセラー作品の文庫版を電子化!話題の僧侶による、休脳のススメ
「イライラ」「不安」は、練習でなくせる。考えすぎて、悩みがつきない私たちに必要なものは、もっと「五感」を大切にする生活。
それは難しいことではなく、ちょっとしたコツの習得で可能になる。著者の著作のなかでもっとも実践的と評され、多くのメディアでいまなお取り上げられ続ける本書で、不安のない日常を手にしよう。
以前にAudibleで聞いたことがあったが、今回書籍で読み直しました。
仏教の世界と株式投資に関係があるのか?と思えるかもしれませんが、私はトレードや長期投資でも多分に思考や精神状況が重要であると思っています。
損をすると情緒不安定になり、負けが込むと正常な判断ができない。
プロスペクト理論で同額の利益と損失は、損失の方がダメージが大きい。
勝てばうれしいし、投資を決定した後はその銘柄をひいき目で見てしまうし、感情がトレードに及ぼす影響は大きいでしょう。
トレードをしているとポジポジ病になったり、感情に流され反射的トレードをした経験は誰にでもあると思います。
脳は刺激が入ると、その刺激を呼び水に抑制が効かなくなりコントロールが難しくなってしまうものです。
感情はトレードでは邪魔になることが多いし、長期の投資を考える上でもバイアスを強めてしまう結果に。
できれば自分の自然発生的な思考や本能的な反応、自然に至ってしまう心理をコントロールできた方が良いはず。
この本を読んでトレードが上手くなるわけではないと思いますが、自分の「認知」「感情」「思考」に思いをめぐらすきっかけになることは有用だと感じました。
金融や資本主義という枠組みでの思考をしていると、宗教家の言葉は響かないというか考慮しない人も多いと思いますが、学べる点はあるように思いました。
勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法 Kindle版
勝間 和代
「この本は、私が五十二年の人生でトライアンドエラーを繰り返して得た知見をまとめたものです。
自分の可能性を開いて、今とこれからを生き抜くヒントとして役立てていただけたら、とても嬉しく思います。自慢ではありませんが、私はトライアンドエラーの多さではそう簡単に負けない自信があります。
もともと、四人きょうだいの末っ子で、小さいころは嫌なことや困ったことがあるとすぐ泣き、姉や兄に助けてもらおうとする性格でした。
なんと二十代前半まで、思い通りにいかないことが起きると現状を否定して、イライラしたり凹んだりしていたのです。
そのせいで、初めて就職した企業では超不適応を起こし、自分の部屋に閉じこもって、ひたすら泣いていたという……。
出産を理由に正社員からパートに左遷されたこともあれば、骨を埋めるつもりで入社した会社が合併や倒産をしたこともありました。
プライベートでは、二回離婚しています。そんな私が五十代になって実感するのは、年を取れば取るほど幸せになれる! ということです。」
―「はじめに」より
書いている時点ではkindleUnlimited対象。
勝間和代さんは「自己啓発書やビジネスマン向けの本をたくさん出している人」というのが一般的なイメージでしょうか。
自転車に乗ったり、年収10倍アップ勉強法とか流行りましたが、ここ数年はテレビなどメディア出ていないので知らない人も多いかも。
たぶん「生産性」や「コスパ」「タイパ」あたりの概念をもっとも最初に書籍でビジネスパーソン向けに発信した人の1人ではないかと思います。
あと女性の外資系ビジネスウーマンやワーキングマザーが著作を出版する元祖が勝間さんではないでしょうか。
私は勝間さんの「無料」メルマガを取っているので、実は毎日氏の文章を読んでいて勝手になじみがあります。
行動量やチャレンジする量が多く、インプット・アウトプットの量、思考の量と幅が凄いです。
正直情報が多いだけになかなかうまく言葉で表すのが難しい多面的な人であると感じています。
書籍紹介を引用したように、この本は勝間さんが人生で得てきた「知見」。
勝間さんの過去の書籍を読んでいると出てきた話題もありますが、それらが統合されてパッケージされている印象。
行動量やチャレンジ量が多い人なので、そこから得た知見を勝間さんのキャリアから抽出した本書は貴重な情報が多いと感じました。
勝間さんの勤め人時代はコンサルのイメージが強いと思いますが、キャリアのスタートは公認会計士。
そして金融機関でトレーダーをしたり、アナリストレポートなどを書いたりもしてきています。
実はキャリア的には金融畑出身の人なんですよね。
『お金は銀行に預けるな』というヒットした過去作があり、この本はかなり初期に投資信託の導入を広く一般層に紹介した本だと思います。
私もこの時期の勝間さんの本で「ノーロード」の投資信託を買って積み立てを始めました。
この本には勝間さんの「知見」がちりばめられているのだが、この本に限らず勝間さんの書籍には「公正世界仮説」というキーワードが出てきます。
公正世界仮説(こうせいせかいかせつ、just-world hypothesis)または公正世界誤謬(こうせいせかいごびゅう、just-world fallacy)とは、人間の行いに対して公正な結果が返ってくるものである、と考える認知バイアス、もしくは思い込みである。また、この世界は公正世界である、という信念を公正世界信念(belief in a just world)という。
勝間さんはこの本の中で「公正世界仮説は嘘」と言い切っていまs。
「行いが正しければ、いつか誰かが救いの手を差し伸べてくれる」ということはない、と。
「自分が動かない限りは状況に変化はない、誰も助けてはくれない」と指摘。
「正しければ報われるはず」「自分の思いが正しければ救いがもたらされる」というような話が展開されていきます。
我慢をすれば報われるはず、と今の生活を耐えている人には心地良くない話だと思います。
人によっては不快に感じるかもしれないのですが、論拠のないトンデモ本ではないのは本書を読んでみてもらえれば分かると。
勝間さんの書籍には昔からアンチが湧きますが、書籍内容というより勝間さん自身へのアンチがまずあるように感じますね。
身も蓋もない真実(というか観察される事実)というジャンルでは後述する橘玲さんに共通しているところがあるように感じます。
本の中には「序列」についての知見もあり、これも普段の生活で敢えて見ないようにして過ごしている人が多いでしょう。
「人々が平等であるというのは建前であり、家庭でも職場でも人間関係は序列により決まっている」とか「パワハラやDVなどに関わり合いたくないと思えば、自分の序列を上位に上げる努力をしないといけない」など記述があります。
ここら辺読んだだけで公正世界仮説を信じている人は不快になりそう。
もちろん本書では被害者目線での不平不満で終わらせず、対処法を提示しています。
勝間さんが凄いのはその対処法が「ドルコスト平均法による貯蓄」や「成果報酬型への切り替え」というオリジナリティあふれるものである点。
「人があまりやっていない行動を先回りして行なうこと」などを推奨しているのだが、この論理などを知りたい人はぜひ買って読んでみることお勧めです。
「人間は怠惰な生き物で、迷ってしまうと判断を先延ばしにする(思考や体力の節約になるから)」
「善い行い」を積み重ねても他人は自分を助けてはくれない。
人生を好転させたい人、これまで上手く変化できていない人には参考になる点が多い書籍だと思います。
社会を生き抜く4つのチカラ
あらすじ・解説
これからの社会に必要なスキルと言えば、英語やファイナンス、デジタルの力などがあげられる。しかし、正解のない時代には、これらの知識やスキルよりも大切なことがある。それは自分が幸せになる道を自ら切り開いていく力である。社会派ブロガーのちきりんさんは、具体的にこれらの力について、論理思考、マーケット感覚、生産性、そしてリーダーシップだと言う。世界で起こっていることを正確に把握するための論理思考、そして、それらの中から価値を見出す力がマーケット感覚。また有限な時間を無駄にしないための生産性、そして自らの人生を自らリードするリーダーシップ。これらの重要性は個々に言われているものの、社会を生き抜く力として気づいている人は少ない。2022年1月に『自分の意見で生きて行こう』を刊行したちきりんさんは、4部作の完結編だという。本エピソードでは、過去の『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』『自分の時間を通り戻そう』と合わせて、4部作で伝えた、社会を生き抜くチカラの重要性を語る。6話分の小タイトルはこちら。
1. 人生という旅を楽しむために
2. 論理思考は頭の良し悪しか
3. マーケット感覚はビジネス的センスなのか
4. 生産性とは効率のことか?
5. リーダーシップは誰にでも必要か?
6. 自分の人生を楽しめる人になろう
©. ちきりん (P)2022 Moon Creative Lab Inc.
これはAudibleのポッドキャスト?というのかな。
いろんな識者が1時間程度話すコンテンツみたいなシリーズを偶然にみつけ、聞いてみました。
内容はちきりん氏の過去書籍4冊を統合した「社会を生き抜く4つのチカラ」
音声内容の概略は上記のAudibleの説明が的を射ていると感じます。
以下では、各パートで響いた部分を抜粋して、思ったことをコメント。
論理的に考える力
知識を得ること、作業すること、悩むことは「思考」ではない。
思考のテクニックという「知識」は世の書籍などで手に入れられるが、実際にモノを考えられるようになるためには、ノウハウ習得の何十倍もの練習が必要。
思考することをしていかないと、「考える」ことは身につかない。
※上記の引用はAudibleでの放送内容を私が文字に打ち直したものであり、書籍からの引用ではありません。放送内容と一字一句正確に反映したものではありません。
最初のパートは「論理的に考える力」について。
「思考」に関する論考が刺さりました。
読書して著者の意見読むだけで「考えた」気になってしまっていることが多く、気まずい思いをしながら聞きました。
読書での「知識」を得ることはお手軽であり、それだけで自分が頭良くなった気がして満足感があるんですよね。
人々に「知識」を貯め込めば頭が良くなるの図式は、学生時代の受験勉強で養われたものでしょうかね。
需要と供給を考える必要も無く、出題範囲が決まっているテストとかは勤勉な姿勢で「知識」獲得のごり押しで有利になれるイメージがあります。
大人になってからは勉強しないと、その頃のイメージから抜けられないのかなと。
「読書」ってものすごい高尚なことしているイメージですが、何冊何時間読んでも、「思考」はしていないかもしれないという...
楽しみのための読書は良いでしょうが、「考えた」気になっている読書は実は違うかも。
このパートのちきりん氏の著作はこちら↓
マーケット感覚
ストリートスマートという言葉は日本にはない、日本語でこれを「マーケット感覚」とした。
マーケット感覚とは「価値をベースにして物事を考える」という概念。
全ての取引は「お金と価値の交換」もしくは「時間と価値の交換」、モノやサービスの具体的品名ではなく、通して得られる価値を求めている。
※上記の引用はAudibleでの放送内容を私が文字に打ち直したものであり、書籍からの引用ではありません。放送内容と一字一句正確に反映したものではありません。
ストリートスマートを「マーケット感覚」という置き換えはすごい秀逸だと思いました。
「マーケット感覚」は事業者目線もないと理解できない概念だと思います。
消費者目線だけだと「とにかく安く、お得に」しか考えられないから。
事業者目線も併せて物事を両サイドから見ることで、時間なりお金の「価値」というのが分かるかと。
このパートのちきりん氏の著作はこちら↓
生産性
生産性という言葉ほど日本で誤解されている言葉は無い
生産性は比率、分母(お金とか時間とか投入したリソース)と分子(投入リソースに酔て得られた成果物)の比率を生産性という
一定の成果物を得るためにどれぐらいの時間やお金がかかったかが生産性
生産性の高い生活は1日に少ししか働かず、あとは自分のやりたいことをする生活。
1日中寝転んでゲームしている人が、生産性の高い人ということが理解できない。
生産性の高い生活は忙しくドタバタする生活と思われている誤解がある。
生産性は分母と分子の比率だが、とても重要なのは分子。
分母は限られているお金と時間とエネルギーしかない、それ以外には有限な資源というものは余りない。
それなのにこの分子である成果の方をきちんと定義しない人がいる。
まずは自分が手に入れたい生活、自分が手に入れたい人生、どんな人生の旅がしたいのかということをまず明確にすること、そしてその生活を最も効率よく(時間お金をかけずに手に入れる方法を考える)それが生産性を上げる方法になる。
※上記の引用はAudibleでの放送内容を私が文字に打ち直したものであり、書籍からの引用ではありません。放送内容と一字一句正確に反映したものではありません。
「生産性」ってよく取り上げられる言葉だけど、ふわっとしていてつかみどころがないですよね。
曖昧に理解されている言葉であり、都合よく解釈されて、それをいうと場が収まる概念。
イメージが統一できていないのに「生産性を高めよう」ってスローガン掲げている組織が多く、それ言っとけば否定はされないという思考停止感ある言葉。
その「生産性」を「生産高」もしくは「生産量」と比較して、分母と分子で考えて、「分子」が大事というのは納得感のある説明でした。
このパートのちきりん氏の著作はこちら↓
リーダーシップ
欧米と日本でかなり違う解釈をされている。日本ではグループで1人、組織で1人リーダーがいて、残りの人はみんなフォロワーだ、という概念。リーダーは1人で他の人はフォロワーシップが必要と考えられている。
しかし日本以外でフォロワーシップという言葉を使われるのは聞いたことがない。
リーダシップで1番初めに求められることは「自分の意見を持つこと」。人に命令する能力と思っている人が多い。リーダーの最も重要な役割は「我々はどこを目指すべきか」を明らかにすること。ゴールセッティングとも成果の定義ともいえる。
人間にいたっては1人1人手に入れたいものが違う。「これを自分は手に入れたい」という意見が明確でなければ、リーダシップは発揮できない。
反応と意見の違いは「思考を要するか」どうか。考えるというプロセスを経ているかどうかが違う。意見は考えないと形成することができない。反応はお湯がかかった時と同じでほぼほぼ何も考えなくてもいうことができる。
意見というのは頭で考えないといえないモノ。そしてほとんど考えなくても言えるのが反応。しかしちょっと賢く見える反応はネット上でよく使われてしまう。もっとも危ないのはこれを意見だと思っている人が沢山いること。
「お前の意見は間違っている」という指摘はおかしい。意見というのは間違うことができない、意見というのは正解のないものにしか持てないものだから。
意見には正解も間違いもなく、私の意見あなたの意見、彼の意見、彼女の意見があるだけ。間違っているのではなく自分と違っているだけ。自分の意見とは違うという必要もない、意見というのは違うのが当たり前だから。
「あなたの意見は間違っている」は1秒も考えなくても言える。僕の意見はこれこれです、は考えないといえない。
※上記の引用はAudibleでの放送内容を私が文字に打ち直したものであり、書籍からの引用ではありません。放送内容と一字一句正確に反映したものではありません。
「反応と意見の違い」は非常に面白いと思いました。
汎用性が高くて、相手が言葉に詰まったり、即座に返しづらい言葉って使いたい人多いんですよね。
最近だと「それってあなたの感想ですよね?」とかでしょうか。
これを連発して相手より自分が上に立った気でいると、長期的に見て頭すごい劣化すると思います。
個人的には各種性格検査で「リーダーシップ」的な要素は非常に強く出るのですが、私は衝動的や反射的な言動の多い人間なので意見あれど人はまとめられないという...
意見じゃなくて反応になってしまっているのか、意識してい来たと思いました。
このパートのちきりん氏の著作はこちら↓
自分の人生を楽しめる人になろう
どんな生活がしたくて、何が欲しくて何が要らないのか。という自分の意見をしっかりと思考したうえで明確にしよう。
そして次に生産性を意識する。それを最も効率的に手に入れるためにはどんな時間やお金の使い方をするべきなのか。本当に欲しいもの以外に使われているお金は生産性の低い使われ方になっている。本当に欲しいものだけをピンポイントに取りに行くということを意識する。それが生産性の高い生活
そしてその生活のための最低限の生活費をどれだけ短い時間で稼げるかトライしようともうと、論理思考やマーケット感覚を駆使する必要がある。家事もそろえるもの、どんだけ時間がかかるかをしっかり考える必要がある。
※上記の引用はAudibleでの放送内容を私が文字に打ち直したものであり、書籍からの引用ではありません。放送内容と一字一句正確に反映したものではありません。
ここまで控えめに書いてきたつもりなのですが、この音声聴いて完成度にとても驚きました。
中身の有用性もそうなのですが、全体のパーツと流れがめちゃくちゃ見事にはまっている。
各章だけ読んでも役に立つないようだとはおもうのですが、通しで聴くと美しい流れの完成度のビックリ。
こいいう筋道を立てた人生の軸のような考え方を、どんだけ考えれば思いつけるのだろう、そしてここまで分かりやすくアウトプットできるのだろう。
偶然見つけられてものすごいラッキーでした。
ベンチャーニュースで言いたい放題
続いてはVoicyから紹介。
「ベンチャー支援家K」って誰やねんと思うのですが、Voicy代表の緒方さんの放送を聞いてから、こちらの放送を聞いてると声がなんだか似ていますね。
この「ベンチャー支援家K」さんの放送の存在を私は7月に知ったのですが、面白くてその日に無料分を一気に聞いてしまいました。
時間が経つと無料公開もプレミアムしか聞けなくなるようなので、公開時に下のリンクも無料では聞けないかもしれないけど投資家はこれを聞いてみるのが良いかも。
2018年にもっとも反響があった放送です。当時はコロナの前、仮想通貨バブルが弾けたタイミングでした。こういう放送どうですか?
仮想通貨バブル崩壊のこの後にNFTバブルが来たりするのですが、そういう投機的な波に乗る前に考えることがあるんじゃないの?という趣旨の放送です。
以下は放送内容で響いた部分(聞いたことを入力していますが、一時一句正確なことを保証をするものではありません)
「マクロレベルで考えたらあなたが投資していることは全く地球にとってプラスになっていない。ゼロサムであったりトータルのパイは変わっていない。どっちかのお金がどっちかに行っただけ。そういうやつらが地球上全員になると、どうなるかというと、誰も生産活動をしない。世の中に何の価値を生んでいないわけだから、パイがどんどんシュリンクして消費者ばかりになって生産者がいない世の中になったらそりゃ沈むだろう」
「自分が1個ずつ価値を生んでいけばトータルのパイは絶対上がっていくから、最終的には自分に返ってくる。価値を生んだ分の何割かは必ず自分に返ってくる。その価値を生む癖をちゃんとつけていくこと。自分が価値をつけれる能力を一個一個蓄えていくのが本来生産活動やビジネスで大事なこと」
「投資をする前に価値を生む練習してみな」
投資家を刺激しそうな言葉を抜粋してみました(笑)
金融市場は労働に対する対価みたいな概念がなく、結果的にお金が手に入るんですよね。
株式投資は企業の成長という価値がまだある気がするけど、FXやCFDはまさにゼロサムの世界。
そこにどういう意味を持つか、そういう稼ぎ方を良しとするか、いろいろな意見があるでしょう。
私自身もいろいろな考え方あり、この放送に反対するわけではないですが..
価値を出すことがお金を生むのは確か。
しかしある程度もしくはある種の価値を出すためには組織が必要で、組織を作るためにはお金が必要。
そのお金は金融機能なり余剰資金を持つ資産もしくは投資家が用立てることがある。
金融機能の一部として各種の市場がある。
その各種の市場では価値など関係なしに、所有権(株式等)の移転などのキャッチボールで、お金が移動する。
そういう仕組みで投資家の手元に、価値揺らいでないお金が手に入る。
株式投資家も考え色々ですが、価値とかなしに割り切っている人が多い。
そんなことを考えながら聞きました。
ぜんぶ、すてれば Kindle版 中野善壽
「あなたの悩みも、不安も、ぜんぶ捨てていい」
伊勢丹・鈴屋で台湾企業で異例の実績を残し、
寺田倉庫の経営改革を担った75歳の伝説の経営者が語る、
不確実な「個の時代」で自立する生き方
隈研吾氏 推薦!!
「ビジネスとかアートとか、
結局のところ「切れ味」だということを、
日本で唯一中野さんだけが直感的に理解し実践している!」■カンブリア宮殿・NewsPicksなどで注目。
□あまりの逸話に、実在すら疑われていた伝説の経営者、初の著書!
kindle Unlimited対象です。
タイトルで惹かれて読んでみました。
現代的なミニマリストの話かと思ったのですが、全然違いました(笑)
しかし予想を裏切って面白かったです。
私は著者のこと全く知らない状態で読みました。
書籍紹介によるとこのようなプロフィール。
中野善壽(なかの・よしひさ)、75歳。
伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させる。
その後、台湾へ渡り、大手財閥企業で経営者として活躍。
2011年、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOに就任。
大規模な改革を実施し、老舗の大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた。
本の内容でも分かるのですが、サラリーマンでもなく創業者でもないけど、企業経営で成功を収めている。
印象的に天才肌の経営者という感じ性格や思考の方向性がビジネス向きなのでしょう。
シンガポールに行こうと思って、トランジットで立ち寄った台湾にそのまま住むことにしたとか破天荒型ですね。
著作を書かない主義だったとのことですが、本著作のタイトルを提案されて初めての著書となったということ。
ディスカバー出版は本当に人材発掘柄の会社ですね。
「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略 【 ”マイキャリア” の整理に使える2つのワークシートDL特典付き】 <3つの要素棚卸し> & <重ね合わせ発見> Kindle版
尾石晴 (著)
★音声メディア「Voicy」キャリア部門2年連続No.1!
「Voicy」トップパーソナリティによる
一生「お金・つながり・健康」を維持できるキャリアデザインの本。
会社員として働きながら
収入の柱を複数持つ生き方へ移行する
具体的なステップがわかる!
人生100年時代を迎え、これからの生き方・働き方に不安を感じているあなたへ。「残りの人生も今の積み重ねでいい? 満足している?」
本書は、40歳前後で多くの人が感じるこの「モヤモヤ感」、つまり「40歳の壁」の正体を分解しながら、自分らしく生きるために「人生の後半戦をどうデザインしていくか?」を考えるためのものです。
「幸せな人生には、どんな要素が必要か?」を分解してみたら、次の3つの要素が見えてきました。
①お金(収入・資産)
②つながり(家族・友人・知人)
③健康(体力・認知力)この3つの要素を満たすためには、定年を迎えないキャリアを自分なりにデザインする必要があります。このような、「お金」「つながり」「健康」の3つの要素を満たすことができ、かつやりがいを持って取り組める「仕事」のことを、この本では「自分業」と呼びます。
それでは、あなたらしい「自分業」はどうやって見つかるのか?そしてどうやって始めるのか?この本では、今すぐ始められる具体的なステップを筆者の実体験も交えながらひとつひとつ丁寧にお伝えします。
※本書の特典「マイキャリア3つの要素棚卸シート」と「マイキャリア重ね合わせ発見シート」は、あなたのキャリアの「見える化」に役立ちます。ぜひご活用ください。
【こんな方におすすめ】
・このまま今の働き方でいいのか不安を感じている。
・十分な経験や資格、職歴を持っていない気がする。
・転職や独立に興味があるが、スキル不足を感じている。
・仕事と家事・育児の両立に限界を感じている。
・小1の壁、小4の壁を前に今後の子育てに不安を感じている。
・定年後の第2の人生に不安を感じている。
尾石晴(おいし はる)さんはvoicyのフェス(音声プラットフォームvoicyが年に1度行う対談を中心としたイベント)竹中平蔵氏との対談で知りました。
↓尾石さんのVoicy一覧↓
voicyのフェス時点で尾石さんのことは全然知りませんでした。
竹中さんの対談相手に選ばれるということは支持が厚く世代を代表する存在なのかな?と思い書籍をオーディブルで聴いてみた次第。
当時に内容は非常に良いと思ったのですが、それから半年ぐらいたって、やっと積読本を読了した次第です。
ワーキングマザーや女性を念頭に置いた書籍なのでしょうが、男性アラフォーの私にも響いた書籍でした。
「40歳の壁」とは40歳前後で多くの人が感じる「モヤモヤ感」のこと。
日曜の夜に感じて、月曜からの忙しい平日には忘れているような感情と個人的にはイメージしています。
その「40歳の壁」の正体を解き明かし、そこを超えていくため「自分業」という概念の紹介、その自分業の始め方が紹介してあります。
前述した勝間さんもワーキングマザー界隈でコミュニティなどを主催してきた方でしたが、尾石さんは勝間さんより10歳ぐらい年下なのではないでしょうか。
(詳しく調べず内容からの印象ですが)
勝間さんは経験した業界や行動量がパワフルで超人的すぎるのでトレースはかなり難しいと思ってしまうのですが、尾石さんは一般の人もロールモデルにしやすい(良い意味で)敷居の低さがあるように感じます。
知名度は必ずしも高くないのかもしれないですが、非常に参考になる多く手に取っていただきたい書籍です。
地面師たち (集英社文庫) Kindle版 新庄耕 (著)
辻本拓海は大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。メンバーは元司法書士の後藤、土地の情報を集める図面師の竹下、土地所有者の「なりすまし役」を手配する麗子の五人。彼らはハリソンの提案で泉岳寺駅至近にある市場価格100億円という広大な土地に狙いをつける。一方、定年が迫った刑事の辰は、かつて逮捕したが不起訴に終わったハリソン山中を独自に追っていた――。次々と明らかになる地面師たちの素顔、未だかつてない綱渡りの取引、難航する辰の捜査。それぞれの思惑が交錯した末に待ちうけていた結末とは? 実在の事件をモチーフに描いた新時代のクライムノベル。
月に1冊ぐらい小説を読んでみよう思っているので、今月選んだのは『地面師たち』
始めて読む著者の作品だな、と思ったのですが『狭小邸宅』の著者さんでした。
【第36回すばる文学賞受賞作】学歴も経験も関係ない。すべての評価はどれだけ家を売ったかだけ。大学を卒業して松尾が入社したのは不動産会社。そこは、きついノルマとプレッシャー、過酷な歩合給、挨拶がわりの暴力が日常の世界だった……。物件案内のアポも取れず、当然家なんかちっとも売れない。ついに上司に「辞めてしまえ」と通告される。松尾の葛藤する姿が共感を呼んだ話題の青春小説。
『狭小邸宅』は悪条件の物件を売るノルマを課せられた青年の話で、パワハラとストレスをリアルに感じられる小説でした。
ほとんどリアル話だからなんでしょうけど、圧倒的にリアル間で心臓が押しつぶされそうに思いました。
社員を追い込んでコモディティ商品を気合と根性で売る、まさにブラック企業のビジネスモデルを追体験できる作品です。
さて、今回の地面師はもっと振り切って悪徳詐欺師の話です。
地面師とは不動産取引における詐欺師で、土地の所有者になりすまし売却を持ちかけて、お金をだまし取る詐欺。
売主に成りすまして保有していない物件を勝手に売ってしまう手口ですね。
土地の権利書や本人確認書類なども当然偽造で作成して、買い方に信じ込ませます。
売り方に同席する専門家なども詐欺師で構成されています。
取引の最初から最後まで詐欺で成り立っている非合法だらけのハイリスクハイリターンの詐欺です。(詐欺は全部ハイリスクハイリターンか)
そんなの素人しかダマせないような気もしますが、過去には上場企業も詐欺にあい話題となりました。
どちらかというと100%違法間違いなしの手法で回数を重ねるごとにリスクが増すので、素人邸宅など数千万円で小銭を稼ぐのはリスクが高すぎるのでと思います。
バカと無知―人間、この不都合な生きもの―(新潮新書) 言ってはいけない Kindle版
橘玲
正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だ。しかし、希望がないわけではない。一人でも多くの人が人間の本性、すなわち自分の内なる「バカと無知」に気づき、多少なりとも言動に注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるはずだ。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。
個人的には橘玲さんの著作が好きで、過去の著者の新潮新書好きな人なら期待を裏切らない内容だと思います。
きれいごと抜きで世の中をの真実を語る橘さんの著作は、読みなれた私でも感情や倫理が刺激されて「ウッ」となることがあります。
日頃見ないようにしているダークな側面とか浮かび上がてくれて、そういったことを覗き見たい私のような固定ファンがかなり多いのではないでしょうか。
「人種」「性別」「格差」「遺伝と環境」など世間的にはタブー視されている考え方について、科学的な事実から身も蓋もないと思える指摘。
刺激は強くこういったテーマが嫌いな人はトラウマになる、というか読み進められない内容かと。
上述の勝間さんのとこで書いた「公正世界仮説」を信じて生きてきたい人は読まない方がよいでしょう。
各コラムのタイトルだけで神経が刺激されていまうと思います。
ちなみに橘さんの新刊は『世界はなぜ地獄になるのか』。
面白そうですね(笑)