ぽろの投資日記【相場コメント】

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日米株の週間見通し【2023/08/14〜19】米経済指標と米10年債利回りが為替、株式の変動要因に 日米ともに決算はこの週でほぼ終了 マクロ環境に左右されやすい状況に

 

全般

kabutan.jp

 

為替市場

先週の為替相場は米国の経済指標と金利反応に振り回された。

CPIは無難に通過もPPIが予想外に上昇した。30年債入札などが低調となり週を通して金利には上昇圧力がかかった。

米国の10年債利回り上昇を受けてドル高が進行し、他通貨は対ドルで軟調な展開に。

ユーロとポンドは売られ過ぎに抵抗を示しているが、豪ドルは株安もあり非常に弱い動きとなっている。

 

 

今週は英国が16日にCPIの発表という材料があるが、基本的には米国の金利を動かす経済指標などに注目が集まるだろう。

 

15日に米7月小売売上高

予想は、前月比+0.4%。
消費が改善していればドル買い要因となる。

 

16日にFOMC議事要旨

FRBは9月以降の会合について「データ次第」としている。

市場は9月利上げを見送りも年内に1度の利上げ可能性を想定。

7月会合の中身がこの投資家の想定を支持するか、裏切るものか。

結果が金利の変動につながりそうだ。

 

 

米国以外の変動をもたらす材料は日本政府の為替介入だろう。

先週末についにドル円は一時145円に到達している。

昨年の為替介入が実施された水準だけに一段のドル高円安が進行すれば緊張が走るだろう。

しかし先週は日本政府のけん制が目立っていなかったように感じられた。

よほどのドル高円安が急変動で起きない限りは、実際の介入前にはけん制発言が繰り返されるだろう。

牽制を受けても落ち着かない場合に、発動への警戒感がいよいよ高まるのを見守る展開になるか。

 

米市場

 

経済指標では下記に注目が集まりそうだ。

15日 小売売上高

16日 FOMC議事要旨、7月住宅着工件数

17日 7月コンファレンス・ボード景気先行指数

 

これらを受けた10年債利回りの変動などが指数の上下に大きな影響を与えそうだ。

10年債利回りは11日に4.15%と、3日の4.18%に迫る水準にまで上昇した。

10年債利回りが高値を更新するかどうか、8月下旬に控えたジャクソンホールも含めて金利動向に神経質になる展開が続きそうだ。

 

決算発表はいよいよ最終盤

16日ターゲット、17日ウォルマートの小売り決算は投資家が景気動向を懸念しているため、相場の変動要因となることが多い。

両社の先行きや在庫状況などの発表には注目が集まるだろう。

サマーバカンスで売買代金が薄くなることが予想される。

通常なら抑制される株式、債券の一方向への値動きが発生する可能性に警戒が必要だろう。

 

日本市場

先週の日本株は金曜が祝日で4日立ち合い。

CPIの織り込みが翌週になるため様子見になることが想定されたが、10日木曜日に意外高となり週間でプラスとなった。

日経平均は32,000円では底堅さを見せて、週間で280円の上昇。

米金利高でドル高円安となっており、TOPIXと日経平均には好材料となった。

 

今週は月曜日がCPIの反応を含む米株2日分の織り込み、日本の10日決算発表ピークの織り込みで荒い動きになる可能性がある。

ドル高円安は追い風だが、145円台より上は日本政府の為替介入が警戒される。

 

月曜日引け後でほぼ決算が終了することから、市場の関心は個別株からマクロ動向に移っていくだろう。

日本の10年債利回りは先週落ち着きを見せたが、今週は15日朝に発表される4-6月期GDP、18日の7月全国消費者物価指数の結果が国内金利の変動要因となる。

 

基本的には米国の10年債利回りの上下が、米株式指数の上下に繋がり日本市場に影響を与えると思われる。

 

先週は半導体などが奮わなかったが、インバウンド株など内需株が相場を支えた。

今週は7月の訪日外国人観光客数の発表がイ、ンバウンド関連銘柄にさらに追い風となる可能性もある。

「発表前に追い風で上昇、発表後に出尽くし売り」や「発表前に動意薄、発表後に上昇」など複数のパターンが考えられる。

 

ハイテクが軟調なところを他のセクターで支えられている点が、日本株の底堅さとして安心材料となっている。

その意味では構成銘柄的に日経平均よりもTOPIXの方が安定感があるだろう。

 

新興市場は米国金利高のハイテク安で上値が重い展開になっている。

 

 

その他

 

15日に発表される中国7月の小売売上高と鉱工業生産などが注目される。

中国経済は景気減速懸念というか景気悪くなっていると思うのだが、市場はこれを見ないふりをしているように感じる。

不動産市場の低迷も深刻さを増していると感じるが、「景気が悪ければ政府の経済対策が期待される」という雑な解説で乗り切っているように感じる。

 

中国政府も経済対策は小出しで、部分的に乗り切ろうとしているように感じる。

先週は突然に海外への団体旅行を許可したりして、市民のストレスのガス抜きをしているようにも感じた。

 

中国発の世界的な金融危機というのも想定しにくいが、中国は年初は世界経済の回復期待を背負わされていたはず。

中国がこの調子で世界経済は大丈夫なのだろうか、ボディブローのように効いてくるように思う。