米国市場概況
2023年8月10日の米株は主要3指数が揃って3日ぶり反発。
— ぽろ (@champoro1) 2023年8月11日
CPIを無事に消化し寄付きから上昇した。しかし30年債の入札が低調に終わり、10年債利回りが上昇。寄付きからの上げは全て消え、なんとか前日比プラス程度で終えた。
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CPIは市場予想を下回り、新規失業保険申請件数は予想以上に増えた。この結果を受けて利上げ見送り観測が強まり、ドルや10年歳金利はCPI直後は下落した。しかしすぐに下げ分は解消された。
— ぽろ (@champoro1) 2023年8月11日
CPIを通過し次の主要イベントは月末のジャクソンホールでのパウエル議長の講演となる。 pic.twitter.com/damcQOsdpG
相場へのコメント
注目の7月CPIは前年比3.2%上昇となった。
伸びは前月の3.0%から13カ月ぶりに加速したが、市場予想の3.3%は下回った。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比4.7%上昇と前月の4.8%上昇から伸びが鈍化し、市場予想4.8%も下回った。
CPIと同時刻に発表された8月5日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は248,000件(市場予想230,000件)
前週から21,000件増加
寄り付き前のこれら2つの結果を受けて米国株は寄付きから上昇した。
しかし上げは続かなかった。
午後になって米財務省が結果を発表した30年債入札は低調な結果に終わった。
今週実施された3年債と10年債入札は無難に通過していたが、30年債のこの結果を受けて債券需要の弱さが意識され、10年債にも売りが波及した。
株式指数はハイテク中心に売りが強まり、前日終値付近を上下する弱い展開となった。
終値では主要3指数が3日ぶり反発したが、寄付き上昇分どころか寄付き水準からも低下。
なんとか前日比プラスを保ったという状況で場中の値動きの印象は良くない。
8月に入ってから米株はハイテクを中心に軟調で、特にS&P総合500種とナスダック総合がプラス圏で引けるのは、この日をいれて2日のみ。
雇用統計とCPIという注目の2つの経済指標は通過したが、アノマリー通りに8月は株価にとって厳しい月となっている。
次の市場が注目するイベントは8月下旬のジャクソンホールで開催されるFRBのシンポジウム。
雇用統計とCPIからFRBの利上げ確率は上昇していないが、利下げの可能性も望めていない。
FRBは追加利上げの可能性を温存させつつ、高金利が高止まりが継続することになりそうだ。