全般
27日(火)
米国6月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (23:00)
回復を示すかが注目される。先週末で米国市場は再びFRBの利上げ姿勢で景気後退への警戒感が高まっている。引き締め継続が累積的に景気に悪影響を与えているはずで、予想を下回る結果が出ると株安反応が警戒される。
28日 (水)
■FRBが銀行に対する年次ストレステストの結果を発表
FRBの金融安定化と経済状況とのバランス能力が問われる。
この発表前の月曜と火曜で米国マーケットがどのような動きをしているかで警戒度合いが大きく異なるように思う。金融安定を求めるFRBが余計な混乱を市場に与えないことを祈るのみ。
30日 (金)
■中国6月製造業PMI (10:30)
先週20日に中国人民銀行は最優遇貸出金利を10カ月ぶりに引き下げたが、市場の反応は支援策として不十分という手厳しいものだった。
当局発表の景気刺激策が足しにならない中で景気悪化が一段と進むとなると市場心理が悪化しそうだ。
為替市場
■ドル円
先週は日銀の緩和姿勢が変わらない中、パウエル議長が議会証言で2回利上げを織り込むFOMC内容の支持を表明した。
英国やスイス、ノルウェーなど中銀の利上げが実施され世界の中銀の引き締め姿勢が鮮明となった。
円はすでに、対スイスフランで過去最安値を更新したほか、対ユーロで15年ぶり、対英ポンド7年半ぶり、対豪ドルで9カ月ぶり、対米ドルとカナダドルで7カ月ぶり、対NZドルで半年ぶり安値を更新している。
日本側の持つ材料で円高をもたらす最大のものは為替介入ぐらいか。
政府側の決まり文句は「急激な為替変動は好ましくない」といったものだが、先週の円安のペースはそれに該当すると思われる。
この週に一段と円安が進めば為替介入が強く意識されそうだ。
ただ前年に150円台まで円安が進んだ事実があるので、前年比較という点では昨年ほどの円安インパクトがない。
日本株が昨年に比べて大きく上昇していることも、昨年とは違う材料と言える。
政府に為替介入を起こさせるなら国民がメディア巻き込んで日銀の緩和批判や政府批判することが一番効果がありそうだ。
■ユーロドル
FRBとECBが現在とっている行動と将来の金利引き締め姿勢を考慮すると、ECBの方がタカ派姿勢と言えそうだ。
しかし欧州は経済指標が悪化しており、先週は週末にユーロ売りドル買いの動きがみられ終了した。
欧州と米国の金利差縮小は進むが、世界景気悪化が進むとドルが安全資産として買われることはあるだろう。
金利差だけでは語れず一進一退となるのかもしれない。
■ポンドドル
英国はCPIが低下せず、先週のBOEの利上げ幅は予想の0.25bpでなく0.5bpとなり市場を驚かせた。参加した委員も大半が利上げを支持しており、インフレ抑制の意欲は高いようだ。
しかし週間ではポンドはドルに対して下落している。ユーロと同じく経済状況の悪化が意識されると、金利差だけで語れない動きになるという気がしている。
■豪ドルドル
先々週の時点では中国の景気刺激策、株高、中銀の利上げ姿勢と追い風材料が多いように思えたが、先週はほとんどの日で売りに押され週間で大きく豪ドル安となってしまった。
先週の中国の景気刺激策は物足りないとの評価で、中国経済の回復が懸念される結果となった。
さらに豪州中央銀行での利上げ決定は僅差だったことも判明し、利上げ継続姿勢もそがれてしまった。
世界的な株高にも中銀の利上げ姿勢で待ったがかかっている状態。
この週は28日に5月消費者物価指数が発表される。インフレ率に落ち着きが見られず市場予想を上回った場合、再び中銀の利上げ継続観測が高まるだろう。
米市場
米国市場は再びFRBが投資家を脅かしている。
6月FOMCで年内2回の利上げを表明するも、市場は現実には2回は無いと見透かした。
しかしその後のFRB高官のタカ派発言や、先週2回のパウエル議長のFOMC決定を後押しする発言が雰囲気を重くし景気後退懸念を強くした。
そして先週末の欧米のPMIが悪化したことで、安全資産の債券買いが起き全11セクターが下落した着地は印象が悪い。
主要3指数の週間上昇も止まって、相場一服から次の出方を伺う雰囲気だ。
年間で見れば現在も大きく上昇した状態であるのだが、先々週までの上げの勢いは止められたという印象。
世界の中央銀行のインフレ抑制の利上げ姿勢が続き相場の重荷。
この週は経済指標やFRBのストレステスト結果などが相場材料となりそう。
生成AIブームなどハイテク株高が相場をけん引してきたが、先週はその勢いが弱まったように見える。
月末週の今週にハイテクがどう動くか。
28日のマイクロンテクノロジーの決算反応などは、その市場のハイテク株評価の判断材料となりそうだ。
日本市場
日経平均が週間でついに下落し週間連騰記録は10でストップ。
週足終値ベースでは+22.5%という結果となった。
先週は世界の中央銀行の利上げ姿勢が鮮明になり景気悪化が意識された。
世界経済の影響の枠外にあった日本株もついに上昇一服に。
世界の中央銀行が利上げ姿勢を継続する中で、日銀は緩和姿勢を継続している。
「日米金利差が意識されている」というこれまで繰り返されてきた説明が機能しているようで、ドル円は円安ドル高方向に加速している。
昨年の円安ドル高はマスコミを巻き込み大論争となったが、これ以上の円安傾向はその水準を彷彿とさせ騒動が再燃しかねない状況。
日本は輸入国なので円安は輸入物価押上要因となってしまう。
先週発表された日本のCPIは上昇が継続した。
日銀は物価上昇は一時的で年末に落ち着くとの見立てだったが、来月の日銀の物価見通しは上方修正が予想されている。
植田総裁は就任以降に慎重に現状維持姿勢だが、動かない姿勢に批判が高まってくるのではないか。
慌てて緩和姿勢を修正すると混乱が起きることは容易に想像ができるが、どこかで修正をするしかない。
最終的に世論や政治から追い込まれて修正が起きてしまうよりは、自律的な態度でその姿勢を見せてほしい。
先週の日経平均の下落は年金のリバランス売りやETFの分配金捻出売りなど、一過性の需給要因と見なす向きも多い。
3月末から比べると日経平均は世界の中で最も上昇した指数だろうし、リバランスの規模はかつてない規模だろう。
7月に入ってもETF運用会社による分配金演出売りが需要が7日と10日に現物・先物合計で1兆1000億円想定されている。
ここから2週程度上昇できなくても上記要因がもたらすものと捉えられそうだ。
しかし本当にファンダメンタルズは安定と見なして大丈夫だろうか?
世界で中央銀行の利上げが複数回予定され、それに伴う景気不安が広がる中で、日本企業だけが成長を実現できるとは思えない。
先週時点で円安が株価に好材料を与えなかったことは見過ごして良い材料だろうか?
日本政府の為替介入が意識される中、円安がもたらす上昇余地は限られるだろう。
円安になれば国内物価高が進行して、国内景気には悪材料が増えることになる。
それでも日銀は緩和を続け、物価上昇が一時的と説明できるだろうか?
週末には6月の東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される、この数値は大いに気になるところだ。
この歴史的な上昇から一転して日経平均が下落トレンドに転換する可能性は低いとは思う。
しかし世界の景気減速がこれからも続けば、上げていく機運は削がれていってしまうだろう。
今回の上昇の壁と33,500円を抜けていけるかは不透明感が強いと思う。
6月月間では23日までの時点で日経平均は1,893円上昇している。
今週安くなったとしても月末上昇の反動安という見方に着地する可能性は高い。
しかし楽観せずに緊張感をもって今後の動向を考えていきたい。
物色人気はIPO銘柄に集中しやすいだろう。
先週後半に悪化した新興市場の雰囲気を手あかがついていないIPOという新鮮な材料で改善させるほしいところだ。
その他
ここまで表立っての大きな内乱は戦争開始後で初めてなのではないだろうか。お互いの軍事力やこれがどんな結果を引き起こすか知識がなくて分からないが、追って出てくる情報を確認したい。
— ぽろ (@champoro1) 2023年6月24日
プーチン大統領「裏切りと反逆に直面」 ワグネル武装反乱 - 日本経済新聞 https://t.co/iGrjSO4CGu
ロシアの雇い兵組織「ワグネル」創設者のプリゴジン氏は24日夜、「流血を避けるため」、ワグネル部隊によるモスクワへの前進を中止したと発表しました
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) 2023年6月24日
国営メディアによると、プリゴジン氏はベラルーシへ向かい、ロシア政府は同氏を不起訴にする方針。今日の行動に参加した兵も訴追しないとのことです https://t.co/66AY1cHj11
ロシアでプーチン氏も公認する内乱が起きた。
先週は見えていなかった材料なので、相場に限らず世界に変化をもたらす可能性がるかもしれない。