米国市場概況
2023年5月31日の米株は下落。
— ぽろ (@champoro1) 2023年5月31日
引け後に債務上限引き上げ法案の採決を控え様子見ムード。月末でもありハイテク中心に利益確定の動きが重荷だった。
JOLT求人件数は予想を上回り売られるも、FRB要人のハト派寄りのコメントで下げ渋った。
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セクターでは今月パフォーマンス劣後した公益やヘルスケアといったディフェンシブが上位。IT、素材、金融、資本材サービス、エネルギーは1%超の下落。
— ぽろ (@champoro1) 2023年5月31日
エネルギーは中国経済指標の悪化が響いた。
FRB要人の発言を受けて、6月の利上げ確率は32%に低下した。 pic.twitter.com/diz8lGbgNw
概要
- 米株は主要3指数が下落
- 債務上限引き上げの採択を引け後に控えて様子見ムード
- 月末ということもあり月間で好調だったハイテク株中心に利益確定売りの流れ
- JOLT求人件数は予想を上回り6月FOMCで利上げの確率が高まり株式は下落
- その後にFRB理事2名の発言で金利据え置きが見込まれ下げ渋る
- 中国の弱い経済指標はエネルギーを中心に悪材料に
6月FOMCについて
- ボーマンFRB理事「住宅価格の反発がFRBのインフレ低下への取り組みに影響を与える」
- ジェファーソンFRB理事「利上げ見送りはデータ精査の時間を生む」
- フィラデルフィア連銀ハーカー総裁「6月FOMCは利上げ見合わせるべき」
- ジェファーゾンFRB理事とフィラデルフィア連銀ハーカー総裁は利上げ見送りは、利上げサイクルの終了を意味しないとも言明
- 来週からFOMC前のブラックアウト期間
- 今後の利上げを決定づける経済指標は今週末の雇用統計、FOMC1日目のCPI
経済指標
- 5月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は40.4 前月から低下 市場予想下回る
- 4月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は35万8000件増の1010万3000件 市場予想を上回る
- 米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は4月と5月初旬の経済活動は全体としてほとんど変化が見られず、前回4月の総括判断を据え置いた 近い将来の企業見通しは以前よりやや悪化 労働市場はほとんどの地区で雇用が増加もペースはこれまでより緩やか 物価は、多くの地区で上昇ペースが鈍化
その他
- 中国経済の弱さを示す指標が相次いでいることが雰囲気を悪化させている。原油、非鉄と商品相場は軟調な動きが続いている
- この日米国市場開始前に発表された中国国家統計局5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と市場予想(49.7)を下回った。4月(49.2)からも低下
- 5月のドイツとフランスの消費者物価指数(CPI)は前月比の上昇率がいずれも市場予想を下回りECBの利上げ期待が後退
- アップルとマイクロソフトはこの日52週高値を付けた ハイテクの中でも安定感が評価されている
相場へのコメント
債務上限問題は引け後の採択を待つだけとなった。日本時間中にヘッドラインが入る可能性が高い。
前日の日本市場と同じく、月末に月間のハイパフォーマンス銘柄が利益確定売りに合った。
エヌビディアは5%超下落でSOX指数は-2.71%
しかしアップルやマイクロソフトはハイテクとディフェンシブという側面を持つからか、この日も堅調で下げ幅はわずかだった。
少数銘柄がS&P500を引き上げていることに対する警戒コメントは絶えない。
FRB高官は来週のブラックアウト期間前に突然の脱タカ派発言。
JOLT求人件数で労働状況のひっ迫を見て悲観的になったマーケット心理を救った。
しかし「利上げ見送りは打ち止めを意味しない」そうなので、6月FOMCが利上げスキップできたとして、その後の経済指標や労働状況次第で7月に利上げ観測出る可能性は高い。
市場も6月と7月で0.25%は見込んでいると思うが、その先も利上げ見通しが出そうな兆候が出ると投資家心理が悪化するだろう。
5月はセルインメイという格言は全く当てはまらず、金利上昇もバリューが下落してグロースが好調という不思議な物色動向の月となった。
ハイテクが指数を引っ張る動きは6月も続くだろうか?
まずは債務上限問題に結論を出して、6月の物色動向のヒントを得ていきたい。