24年の大発会は日本株の底堅さを示した
日経は寄り付き直後に770円安まであるも、終値では175円安まで戻す
日本市場は昨日の1月4日が営業日初日(いわゆる「大発会」)。
石川県の能登の地震や米株がハイテク中心に下落していたことを受けて寄り付きから大幅下落、寄り付き後に下げが急加速。
終値でも175円安と3桁続落となってしまいました。
しかし寄り付きの急落では770円安まであったところを切り返し、終日上げ続けたのは強烈に底堅い印象。
弱材料で崩れないところを見せたこと、その日のうちに下げ幅のほとんどを戻したことは下げはしたけど印象の良い動き。
TOPIX、グロース250は前日比プラスだった
しかも日経以外のTOPIXとグロース250は終値で前日比プラス。
日経は半導体が下げを強くしており、局所的な寄与度の大きいセクターが引き起こした下落といえそうです。
この強さの背景には新NISAがもたらす需給的・心理的追い風があるのか?
積立設定などは海外株の方が多いというので、日本株の追い風としては限定的と思っていました。
1日だけで年間相場は何も分からないし、初日のご祝儀的な要素もあるでしょう。
しかし上昇の勢いを好感しリスク専攻的な投資家が増えれば、バブル後高値を抜けたら強い買いモメンタムもあるのかも。
相場は生き物なので、決めつけず状況を見守っていきたいと思います。
相場環境へのコメント
米国相場
米株はハイテク株安が続いている。
年始から昨年の上昇を反省するような動き。
ADP雇用レポートの非農業者部門の雇用者数が予想を上回ったこと、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことが米金利上昇につながった。
ハイテク株は買いが入りづらかった。
寄り前にアップルがさらに1社から格下げを受けてセンチメントが悪化。
ADPは雇用統計と数値がずれる可能性もある。
しかし雇用統計の結果によっては市場が予想する今年の利下げ確率が低下し、さらなる株式売りが発生する可能性がありそう。
日本相場
日経先物は米ハイテク株安を受けても、円安ドル高を好感してか上昇した。
しかし本日は週末に加えて雇用統計もあるので、様子見姿勢が強まるだろう。
寄り付き前では下げる状況ではないようだが、日中に下げても昨日の動きを見る限り押し目買いは入りそうに感じる。
上昇して更に上値を買っていく動きが見られた場合は、投資家心理に弾みがつきそうだ。
円安で日本株上昇は円高時の下落要因でもある。
米株が下げ続ける中で持続的な上昇は難しいことから、慎重になるべき場面のようには思える。
しかし株は需給なのでこの状況でも買いが入れば、誰もついていけない上昇になる可能性もありそう。
その他
- 2024年はスマホの買い替えサイクルからの新ビジネス開発が来るか
日経CNBCの毎年の大発会のゲストは大和証券の木野内 栄治さん。
昨日の放送も聞いて、有料会員のみしか視聴できませんがリンク張っておきます。
https://online.nikkei-cnbc.co.jp/vod/49249
放送聞いていて「スマホの買い替えサイクルは3年。24年は売れるタイミング」という話題が面白いと思いました。
Apple株もこのサイクルで上昇しているみたいですね。
年始から米国のハイテクが弱い背景にアップル株の不振があります。
先行き見通しが暗いという理由でレーティング引き下げも行われていますが、はたして今年の終値はどうなっているでしょうね。
国際的な再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米国に拠点を置く企業が12月に発表した人員削減は前月比24%減の3万4817人だった。ただ2023年の人員削減は前年比98%増の72万1677人と20年以降で最多。テクノロジー、小売、ヘルスケア、メディア部門を中心とした年初の人員削減を反映した。パンデミック(世界的大流行)の時期を除けば09年以降で最多だった。
JPモルガン・アセット・マネジメントの集計によると、S&P500種の2023年年間の総収益率(株価値上がりと配当を足して元本で割った比率)は26.3%だったが、業種別ではテクノロジーが57.8%、情報通信が55.8%と指数全体を大幅に上回った。ハイテク株が買われすぎといわれたゆえんだ。
米著名コメンテーターのジム・クレイマー氏は3日、「市場は一時的にM7に愛想を尽かしている」と語った。大型テック株に代わり、高利回り株や小型株、ヘルスケア、銀行、不動産投資信託(REIT)などに資金が向かっていると足元の状況を説明した。