一部ハイテク株がけん引する状況を不安視する声も 水曜休場で動きにくい週となるか
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最新の株式指数チャート等は下記URLから
米国株情報
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米国株相場
先週
週間ではダウ平均が209.83ドル安(-0.54%)と反落
S&P500が1.58%高でナスダック3.24%高と共に2週続伸となった。
S&P500は金曜だけ-0.04%の下落、木曜までは4日連続で終値の最高値を更新。
ナスダックは5営業日連続で終値ベースの最高値を更新した。
重要指標のCPIやPPI、重要イベントのFOMCを消化した。
CPIやPPIは予想を下回り金利低下を促したが、FOMCでは年内の利下げ見通しが3回から1回に変更というタカ派な結果に。
しかしAIブームが続きハイテク株が強く買われており、ナスダック主導で株価は堅調な動き。
開発者会議のあったApple、ChatGPTを有するMicrosoft、そして市場の一番の期待で時価総額を2社と競っているNvidiaが相場を牽引。
今週
重用指標
17日 NY連銀製造業景気指数
18日 5月小売売上高、5月鉱工業生産
20日 5月住宅着工件数
21日 6月PMI、5月中古住宅販売件数
重要スケジュール
19日 米国休場
市場はFOMCのタカ派な金利見通しにも影響を受けず、ナスダックとS&P500は史上最高値の更新を続けている。
ダウは上値が重い展開が続いているが、ハイテク純度が高いほど今の相場で優位な証だろう。
先週のFOMCの年間利下げ見通しの後退という弱材料は、ハイテク株の上昇がかき消している。
今週からFRB要人発言などで金利が変動する可能性はあるのだが、同程度に重要なのがハイテク相場の継続性だ。
一握りの銘柄だけが指数上昇をけん引することを不安視する意見が増えてきている。
米国は19日の水曜日が祝日で休場となる。
その前後では取引が緩慢になることを考えると、今週は動きにくい週と言えるかもしれない。
フランスでは政治情勢が不安定化し、財政懸念やEU離脱などのリスクシナリオが話題となっている。
通貨としてのユーロにも影響が出ている。
米金利は低下しているがユーロに対してのドル高、安全通貨としてのドル買いなどドル高となる懸念が高まっている。
ドル価格はゴールドや原油などコモディティ価格にも影響する。
金利とは別にドルの動きを見逃さないようにしたい。
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日本株相場
先週
日経平均は週間で130円の上昇。
米国のCPIとFOMC、日銀会合という重要イベントを消化。
FOMCではドットチャートの金利見通しが前回3月の3回から1回に減少。
タカ派サプライズとなったが、ハイテク株価が堅調でナスダックやS&P500は上昇した。
日銀会合では警戒された国債買入減額は示されず、7月以降に減額を議論していく「方針」だけが示された。
事前に市場は減額まで織り込んでいたので、ハト派サプライズといえる。
日本は金曜引け後の日銀総裁会見があったので、FOMCや日銀会合の結果発表後も様子見ムード。
日銀会合の結果を受けてドル円は158円まで円安が進んだが、植田総裁の会見後には156円まで円高が進む場面も。
為替の変動は一時的で大きな混乱は起きなかったといえる。
フランスの政治情勢が不安視されたのもあって、金曜の日経先物は下落して38,460円で終えている。
今週
重要指標
17日 機械受注統計
19日 日銀会合の議事要旨(4/25-26開催)
21日 5月CPI
日銀会合を終えたばかりという状況で個別企業の決算発表も少ない。
経済指標など国内材料でも刺激となるものが少ないといえる。
19日は米国が休場になるので20日の日本株は材料不足となることが予想される。
19日前後で休みを取る米国市場関係者もいることを考えると、動意に乏しい週となる可能性がある。
もっとも先週は米FOMCや日銀会合があり日毎の変動があっても、指数はこれまでの38,500~39,000円のレンジで変化が無かった。
イベントがあってもなくても、このレンジでの推移がしばらく続くのかもしれない。
米国株やドル円がレンジを破るなど、外部の変化に連動していきそうだ。
ドル円は引き続きドルや米金利といったドル側の材料に翻弄されそうだ。
日銀会合当日のドタバタの変動が納まったとはいえ、157円という水準は国民と政府にとってどういう水準と言えるのか。
仮にここから円安が進んだ場合は為替介入への警戒感が高まる。
鈴木財務大臣と神田財務官のコメントに注意が必要だろう。
先週は米株に影響が出なかったので株式の材料としては注目度が薄かったが、オリンピックを直前に控えたフランスで政治情勢が不安定化している。
通貨や株価下落が起きており、EU全体を含めたセンチメントに注意を払いたい。
金利以外に更なるユーロ安要因が起き、ユーロはドルに対して売られる展開が続いている。
安全通貨としてのドル買いが起きればドル円やコモディティにも影響が出てきそうだ。
国内材料では、7月には東京都知事選がある。
自民党は候補者を出さないが現職の小池都知事の支援に回る。(小池都知事に拒否されるかもしれないが)
無所属で出馬してはいるが蓮舫氏の立憲民主党(共産党)と自民党の対決と見ることができるだろう。
EUでは右派勢力が拡大するなどで国政が混乱する兆候が見られている。
日本でも岸田首相の任期間近でもあり、政治の動きに神経質になる展開には注意したい。
グロース市場とグロース250市場は先週負けなし。
6連勝と今年最多の連騰記録となっている。
大型株の売買代金が低迷しており、中小型にチャンスが巡ってきているかもしれない。
しかし今週はIPOが6社あり、指数構成銘柄には逆風となりそうだ。