最新の株式指数チャート等は下記URLでご参照ください
タイトルの記事は下記「相場コメント」の後にあります。
相場コメント
米国相場
先週の米国市場
- FOMCでパウエル議長が3月利下げを明確に否定し、その日はハイテク中心に急落も翌日から大型ハイテク株の堅調決算で盛り返し、主要指数は堅調
- 商業用不動産向け融資による大型損失を計上したNYBCは昨年のSVBショックを連想させ市場を揺らす
- 金曜日の雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回り、平均時給は上昇、失業率は予想を下回り労働市場の堅調さを示す
- しかし当日はメタの20%高などの個別株や経済の堅調さを評価する動きが出て株価指数は堅調に週間を終える
今週の米株市場
- 複数のFRB高官発言が予定、早期の利下げをけん制する発言に警戒
- 利下げ期待の変動、経済指標、FRB高官発言、NYBCの報道などで、米金利が変動することが予想される
- 大型ハイテク株決算は通過したが、決算は今週も多い
- しかし翌週にはCPIが控え、市場の注目は個別決算から経済状況へ
■リンク(日経等は有料記事あり)
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米ISM非製造業景況指数、毎月勤労統計、景気ウォッチャー調査 | 市況 - 株探ニュース
■来週の注目スケジュール
2月5日(月):中・財新サービス業PMI、中・財新総合業PMI(1月)、独・貿易収支(12月)、米・ISM非製造業景況指数(1月)、中・預金準備率引き下げ実施、など
2月6日(火):毎月勤労統計-現金給与総額(12月)、実質賃金総額(12月)、家計支出(12月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、欧・ユーロ圏小売売上高(12月)、米・フィラデルフィア連銀総裁が講演、など
2月7日(水):独・鉱工業生産指数(12月)、米・貿易収支(12月)、中・外貨準備高(1月)、米・リッチモンド連銀総裁が講演、など
2月8日(木):国際収支(経常収支)(12月)、景気ウォッチャー調査(1月)、中・消費者物価指数(1月)、中・生産者物価指数(1月)、米・新規失業保険申請件数(今週)、欧・欧州中央銀行(ECB)経済報告、など
2月9日(金):独・CPI(1月)、米・米独首脳会談、中・株式市場は祝日のため休場(春節、2月19日から取引再開)、など
《CN》
為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、米早期利下げ観測後退でドル売り縮小も | 通貨 - 株探ニュース
ユーロ週間見通し:伸び悩みか、日銀マイナス金利政策の早期解除の思惑残る | 通貨 - 株探ニュース
来週の米主要企業決算 イーライリリーのほかマクドナルド、キャタピラー、そしてアームも | 市況 - 株探ニュース
■日本相場
先週の日本市場
- 先週の日経平均終値は36,158円で、前週末に比べて406円高
- 週間終値としては1990年2月以降初の36,000円の大台乗せ
- 外国人投資家は直近4週間で日本株を約2兆円現金で買い越し、先物を合わせればこの倍以上の買い越し。外国人投資家の大量買いが日経平均の上昇の原動力
- 日経平均のPERが16倍に到達し、長らく日本株買い材料だった「割安感」消失
今週の日本市場
- 雇用統計は予想以上の上振れとなったが、米株指数は大幅上昇、ドル円もドル高円安のため週明けは堅調なスタートか
- 翌週にかけて決算企業が本格化 8日に約300社、9日に約570社と多く、今週は約1300社が予定
- 大型株ではトヨタ自動車、SBG、三菱UFJなどの大型株決算が発表される
- 週末にSQ、翌週月曜日は振替休日で休場 上値追いは難しいか
- プライム市場の売買代金が堅調であれば、底堅い動きが期待されるか
- 米金利低下変動により引き続きドル円の動向に注目
- 春節により中国市場は2/9~2/16まで休場、韓国市場は2/9~2/12まで休場
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【投資部門別売買動向】信託銀と海外勢(現先合算)が売り越す一方、個人は買い越す (1月第4週) | 市況 - 株探ニュース
国内株式市場見通し:決算発表ピークとSQ週が重なり、東京市場は大商いか | 市況 - 株探ニュース
新興市場見通し:決算発表銘柄中心の地合いで指数の方向感は乏しいか、IPOは2社 | 市況 - 株探ニュース
その他
海外勢は年初から4週間で現物株を1兆8909億円買い越した。米JPモルガンのグローバルリサーチ統括責任者、ジョイス・チャン氏は「調査に35年身を置いているが久々の日本への関心の高さだ。構造変化が進行中だと世界の投資家が感じているのだろう」と話す。
NISA投資や自社株買いの拡大は、デフレ脱却や資本効率向上に向き合う国内勢の意識変化も映す。直接のフロー影響だけでなく、心理的な効果も無視できず、日本株が高値圏で踏ん張る一助になっている。
タイミングを考えない買いが断続的に続くなら、高配当銘柄は凄いことになりそうだな。
この記事の内容からは離れるが、オルカンやS&P500への積立投資も実際のフローより心理的に円安効果を生み出しているようだ。
運営側は実施コストが上がるし、消費者側も対応しつつ運営コスト料金の負担が増える。
気候変動が進むことにより、10年後には同じイベントをしているの負担額が全く違うということもありそう。
----------------------以下、私見を語るエッセイです----------------------
投資を急いで始めるか?ゆっくり勉強してから始めるか? メリットとデメリットを比較
2024年の日米株式市場の盛り上がりを見て、NISA含めた投資を開始するか検討している人も増えていそうです。
年始から株が上昇したというニュースをこれだけ見ると、心が動くかもしれません。
NISAかどうかはともかく、投資を「急いで始めるか」それとも「ゆっくり勉強してから始めるか」のメリットデメリットを紹介したいと思います。
結論を先出しすると、「一概には言えないので、個人の決断による」となります。
メリットの裏返しがデメリットになり、どちらの決断にも長所と短所があります。
明確な結論は出ませんが、自らの性格や状況に応じた最適な決断を下す際の参考になれば幸いです。
【投資を急いで始める】場合
メリット
- 投資期間を長くすることにより複利効果が大きくなる
- 実際の市場での経験を積むことができる
特に長期投資の場合では早く始めて資産を積み上げると、配当再投資によって複利効果を得ることが可能になります。
米国株のように長期的に資産価値が上がる資産に投資することが前提ですが、複利効果を得るためには「時間を味方につけること」が重要になります。
その点では早く始めることがメリットになるでしょう。
複利効果の解説はこちら
また投資家として市場に晒される経験も早期に得られます。
相場経験は自転車などの運転や水泳に似ていて、実際にやってみないと習得できない感覚が多数あります。
市場の変動、投資戦略、金利の動き、決算反応など現状の相場から多くの生きた知識や経験を得られることで、学習意欲の向上も起きるでしょう。
デメリット
- 学習不足で損失の可能性が高まる、
- 適切な投資商品などの選択肢が限られてしまう
- 経験の少ないうちに市場の急低下などに巻き込まれると不安が強まる
余りに知識がない状態で始めてしまうと、選択肢や打ち手が少なく損失を招いたり、得るべき利益を取り逃がす可能性があります。
自分の投資行動に自信が持てず、判断ミスや損失リスクが高まる可能性も。
市場は変動するものなので、思わぬ下落に巻き込まれ投資からリタイアする結果になるかもしれません。
複利効果などを知らなければ、長期投資をするモチベーションも抱けないでしょう。
性格的的に不安感が強いとパフォーマンスを発揮できない人もいます。
投資は冷静な判断が必要ですが、自分の天性の感性だけで続けるのは一握りの天才だけでしょう。
【焦らず勉強してから投資を始める】
メリット
- 不安感を感じずに納得して投資を開始できる
- 充分な知識を身に着け、手法や金融商品の選択肢を広げられる
- 市場の観察期間を長くすることで、落ち着いて対処できる確率が上がる
前項のデメリットの裏返しのような内容になります。
計画的なやり方が性格にあっている人は、結果を自分事と捉えるためにも「納得感」が大事な要素になります。
準備をしっかり行えたという実感があれば、自信をもって開始できるでしょう。
ゆっくりと時間をかけ観察することで、ある程度の現実の市場トレンドや投資イベントが体験できます。
将来的な市場変動リスクに慌てずに対処できる可能性が高まります。
投資に必要な金額を給料などから積立する場合は、準備期間が長いほど資金が貯められ選択肢を増やすことができます。
デメリット
- 先延ばしをし過ぎて生涯の投資時間が減ってしまう
- 市場にエントリーするタイミングを逃し、買えなくなってしまう
- 情報収集を行いすぎて、かえって始めるハードルが上がってしまう
投資は「今日始めなくても、明日は何も困らない」という性質があります。
なので、「準備が完了するまで」と思っていても、優柔不断な人は始めるまで何年も経ってしまう可能性も。
積立投資では特に時間が味方になるので、その最大の効果が目減りすることになります。
観察している間に市場が急騰して始めるタイミングが難しくなるケースもあります。
日経平均は24年に入ってから急騰してしまい、33,000円から買いでスタートしようなどと思っていた人にはその機会が無くなってしまいました。
今後そこまでの低下を辛抱強く待つのも1つの考えではありますが、そこまで下がる状況では将来的に値上がりする資産ではなくなっている可能性も。
実体験をせずに机上の学習ばかりを積み上げると、不合理な固定観念を抱いたり失敗の恐怖が大きくなる可能性があります。
市場が変動する中では教科書的な出来事が通用しなくなる場面もあり、始める前に知識をつけすぎると手が出なくなるかもしれません。
究極的には誰も相場を当て続けられないですし、ある程度の不確実性は抱えざるを得ません。
余りに観察をしてSNSなどで投資家の愉悦や悲哀を受け止めすぎると、自身の現状とのギャップが大きすぎて別世界のことと心が離れる可能性もあるでしょう。
メリットとデメリットが確定しない状況で、判断をしていくのが投資家
ここまでメリットデメリットを比較してきました。
結論はどちらでも正解だしどちらも不正解のように思えますね。
こういった「一概には決めきれない」葛藤こそが投資につきもので、投資家がずっと直面していく問題となります。
デメリットの対策を立てて挑むのか、ひとまずケガしてもいいから始めてみるか。
誰も未来は予測できないのですから、投資判断時点での将来の成功は見通せません。
知能が高い人ほど将来を考えて不安になる一方で、何も考えないで大ダメージを負う人もいます。
投資を始めてみると理解不能な投資判断をしている投資家は沢山いて、それぞれ当たったり外れたりして喜怒哀楽の激しい世界だということも感じます。
どんな偉大な投資家でも判断ミスをなくすことはできません。
そして投資の結果は自己責任でしかない厳しい世界です。
他人の意見を聞いて判断しても結果責任は自分です。
投資を始めて良いことも悪いこともあるし、「それでもやる」のか「それならやらない」の決断は自分にしかできません。
ここでは書きませんでしたが、今は100円からでも投資ができる時代です。
小額から始めるなど「投資する/しない」のハードルを自分なりに下げてスタートする手もあるかと思います。
始める前から投資家としての情報収集や判断を求められているとも言えそうです。