全般
為替市場
来週の為替市場は米国の経済指標の反応待ちとなりそう。
イギリスこそ11日にGDP速報値発表があるが、ユーロ圏やオーストラリアは主な経済指標の発表がない。
米国のCPIやPPIの発表を受けた反応に終始するのではないだろうか。
11日は日本が祝日の為にアジア時間出来高が薄くなる可能性には注意か。
米国では10日の7月消費者物価指数(CPI)が最も注目される。
特に重視されるコア指数は、前年比+4.8%と横ばいの見通し。
単月より連続してのインフレ鈍化データの方がFRBも判断を下しやすいはず。
しかしデータということを考えると、今月のCPI結果が出ても9月会合までもう1回雇用統計とCPIがある。
発表直後はある程度の見立てから動くも、次の重要統計を見たいという判断も出てくるだろう。
先週のフィッチの格下げから市場が変質した印象がある。
経済指標と金利・ドルが先月までの反応をするか分からないと思っている。
インフレ鈍化のペースもここからは落ちていき、前年同月比では横ばいが多くなりそうだ。
目先の原油価格の80ドル台が定着すると、さらにインフレ鈍化の雲行きが怪しくなると思われる。
米国で11日には8月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値
7月実績と変わらない数値となるのが事前予想。
先週までを見る限りインフレ懸念が個人消費に影響を及ぼしているような雰囲気はないように思える。
これを単純にソフトランディングと好感するかどうかは、来週の地合いが決めるだろう。
米市場
先週はマーケットがフィットの格下げというサプライズで大きく動いた。
これ自体が全てを一変させる悪材料ではないが、8月9月は弱いと警戒されているところで株価が高値圏でこのニュースが出てきたので投資家の逃げ足が速くなったと思う。
今年は「Sell in May」ではなかったが、このタイミングで株式を売り払ってどっか行ってしまう投資家が出てくるかもしれない。
長期金利が4%台に居て、VIXが久しぶりに17ptまで上昇視している。
株式市場は自然と警戒をするだろうと思う。
米株は今回の決算スケジュールの85%ほどを消化。
個別株の変動は落ち着いてくるとすると、金利、FRBの見通し、政府の国債増発などマクロ環境に焦点が絞られてきそうだ。
経済指標ではCPIとPPIに注目。
金利動向が4%で定着するか一段上に行ってしまうのか、株価への影響は大きいだろう。
夏枯れで取引が薄くなると売買の影響も大きくなる可能性がある。
日本市場
先週は月火に急上昇、水木に急落し金は横ばい。
日経は週間で566円の下落となった。
金曜の日中時間には32,000円割れを回避したが、その後の米株時間に先物で32,000円を割れてしまっている。
フィッチの米国債格下げという突発材料で市場が混乱。
日銀会合を通過してからの円安株高を満喫していた日本市場に冷や水となった。
米金利が上昇してもドル円がドル高にならずに、金利上昇のハイテク株安が響いて株式市場は下げ警戒ムードに。
今週は金曜の11日が山の日の祝日で休場。
木曜10日に米国で重要指標の7月CPIが発表されるが、織り込むのは週明けとなる。
木曜日までの日本市場は個別株決算がピークを迎え、個別材料には事欠かないが指数としては様子見が強まるだろう。
米金利の更なる上昇で米株が崩れたりしたら、下げを見守る傍観ムードになると思われる。
指数については10日のオプションSQ算出があり、動きにくいけどある種のポジション需給が動かされることになるのが複雑なところ。
日本の金利も日銀会合後に変化が起きている。
日銀会合の結果執り行われる政策は寄り複雑さを増している。
海外投機筋からの日本の金利を揺さぶるような攻撃(国債売り)は今後も付きまといそう。
米株の金利動向に振り回されないか、債券市場の動きも要チェック対象となる。
新興市場については指数としては週間でプラスとなった。
日経平均が-1.73%だったのに対し、マザーズ指数は+0.03%。
日経と比較すると相対的に良かったが、厳しい言い方をすると崩れていないだけ。
来週の米国の金利動向とグロース株反応に地合いはつられてしまうだろう。
週末は米国で金利低下もグロースは買われなかった。
この状況を新興市場はどう織り込んでいくだろうか。
その他
原油価格が80ドル台に乗せて、そこをキープしている。
株安に連動して崩れず、ここにきてサウジの減産継続や米国の在庫統計など需給動向が追い風になっている。
株式が米国金利に敏感になっている中で、物価上昇に弾みをつけるような一層の原油高が起きてしまうと更に株式見通しがネガティブになるだろう。