米国株相場
先週の振り返り
週間ではダウが2.10%安と5週ぶりに反落となった。
ナスダックが3.35%安、S&P500が2.06%安でどちらも3週続落。
ナスダックは7月11日の史上最高値から10.15%安で「調整相場」入り。
SOX指数は3か月ぶり安値圏
VIX指数は週末終値は23.39だが金曜日には一時29.66を記録
FOMCは事前予想通り金利据え置きで通過。
パウエル議長の会見では9月利下げが示唆されハト派転換と言われた。
しかし翌日のISM製造業景況感指数と週間新規失業保険申請件数で景気後退懸念が生まれ、金曜の雇用統計で失業率の悪化などが更に懸念を増幅させた。
フェドウオッチによると、FRBが次回9月の会合で0.50%ポイントの利下げを実施する確率が69.5%となっている。
今週の見通し
先週は木曜の経済指標で生まれた懸念が金曜の雇用統計で増幅されて終えた。
FOMCでは政策金利の変更が無かったが、FRBが動かなかったことが経済に対して後手に回ったという印象を強めている。
VIXが急騰し市場は混乱している状態。
FRB高官などは単月の経済指標では何かを判断したくないという姿勢を示しそうだ。
9月利下げに関して言質を与えるようなことには慎重で、マーケットはそんなFRBの態度には不満だろう。
マーケットは利下げが後手に回っていると警告し、下げ幅も0.5%と2回分を要求する状況が続きそうだ。
10年債利回りは急低下し4%割れも株にポジティブな影響を与えていない。
10年債利回りが2年債利回りを下回る「逆イールド」は縮小して、利回り差はマイナス0.09%と22年7月以来の小ささとなっている。
決算は終盤戦となり、大手ハイテクなどは既に終了。
個別株の内容よりマクロ経済、金融政策が材料になりやすいだろう。
経済指標などは弱い数値が出ると景気後退懸念が強まりそうだ。
米株はどこまで下げてしまうのか、世界中が見守っている。
ジャクソンホールまで2週間ほどあり、動きにくい局面ではある。
サマーシーズンで休暇を取る投資家も多く、売買代金が低下することで振れ幅が大きくなる可能性には注意したい。
日本株相場
先週の振り返り
先週は日銀が「国債買入の減額計画の発表」「政策金利を0.25%に引き上げ」を行った。
その日の日経平均は引き締め的な金融政策の修正にも関わらず上昇した。
米国の半導体輸出規制の強化から日本は除外されるとのニュースが場中に流れ、その好材料を半導体株が織り込み大幅高となったからだ。
しかし引け後の会見で植田総裁が金融政策についてタカ派転換ともとれる発言から円高株安が深刻化した。
さらに翌日木曜の米国時間には米国株にも大きな混乱が起きた。
ISM製造業景況感指数と週間新規失業保険申請件数をきっかけに、米国の景気後退懸念が強まりハイテク株中心に大幅安。
米国の利下げが確実視され米10年債利回りは大幅に低下、それに伴い円高がより一層進むこととなった。
米株安と一層の円高を受けた日経平均は2日金曜に2217円安と歴史的な下げ幅に。
日経平均は月~水で1,434円の貯金を作るも、木金で3,192円の下落となった。
週間では1,757円と3週連続の4桁下げ。
今年初めて200日移動平均線を割り込んでおり、チャート形状も大きく悪化してしまった。
木金のプライム市場売買代金はどちらも6兆円台と大商いとなっている。
日経の25日移動平均との乖離率は9%超と売られ過ぎ感は示されている状況。
今週の見通し
週末の日経先物は米国株の下落を織り込み34,800円で引けている。
金曜日の現物終値が35,909円だったので、先物水準で寄り付くとすれば1,000円下げのスタートとなりそうだ。
ドル円は146円台半ばまで円高が進み、金曜の現物時間から3円程度の下落となっている。
今週も日本市場はドル円動向に左右される展開となりそう。
ドル円の変動は日米金利差の縮小とそれに伴う大規模な円売りポジションの巻き戻しが大きそうだ。
円高が急速に進み過ぎているように思えるが、為替市場は極端な動きが継続する可能性がある。
日経やTOPIXについてはドル円の不透明感が強くて買いの手は引っ込む可能性が高い。
反発があったとしても追随買いが見込みにくく、ヤレヤレ売りなどが出る展開を予想。
仮に継続的な反発が起きれば、様子見で誰もついていけない上昇相場になる可能性もある。
円高と株安がセットでなっているので株式もドル円動向で一喜一憂することになるだろう。
ドル円を変動する材料としては米国の5日ISM非製造業景況感指数、8日週間新規失業保険申請件数。
日本では8日にタカ派転換となった7月日銀会合の主な意見公表が注目される。
米国指標によってはドル買いの動きが出て、結果的に円高が止まる可能性はある。
ただ中長期的な落ち着く水準がこの週では見極めきれず、株式は様子見性から抜けられないと予想。
決算発表が本格化しているが円安による収益改善効果は全く期待できなくなった。
輸出系の企業は既に株価が下落しているが、先週のトヨタのように決算を出して一段安という展開には警戒したい。
米国でAIハイテク相場の終焉が危惧されていることもあり、今週決算のSBGや東京エレクトロンの反応が警戒される。
地合いが弱すぎて買い手が不在と思われるが、決算を見て再評価する動きをマーケットが見せれば少しは安心感が持てそうだ。
今週の金曜日は3連休を前にした週末なので、リスク回避姿勢から様子見ムードが強まる可能性がある。
時期的に夏休みなどの投資家も多く、マーケットの売買高が薄くなる可能性も変動率を高めてしまうかもしれない。
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